新宿FACEとミラノ座の女装おじさん
新宿FACEが、2026年9月30日をもって閉館してしまうことが発表された。閉館はせずに改修工事をするという噂を伝え聞いていたので、完全閉館の発表は寝耳に水だった。
プロレス観戦で訪れることが多い新宿FACE。アングラな雰囲気が漂う薄暗い会場、リング上の選手と観客がマイクを通さずに生声でやり取りできるほどの、絶妙に「密」な距離感がとにかく好きだ。会場のサイズは違うけれど、靖国神社などでたまにやっている見世物小屋における、心地よい共犯関係が築けるあの距離感に似ている気がする。生きている蛇の頭を丸かじりする女の子、元気にしてるかな。
以前インタビューをしたプロレスラーさんが、「会場が広すぎて観客の反応に時差がある東京ドームより、反応をダイレクトに感じられる新宿FACEのほうがやっていて楽しい」と言っていた。そういえば、新宿FACEって元はライブハウスのリキッドルームだったよな。そういうのも関係しているのかしら。閉館までのわずかな間、できるだけ足を運びたい。

新宿FACEの近く、現在は歌舞伎町タワーが建っているところには、新宿ミラノ座という1000人もの観客を収容する大型映画館があった。10年ほど前、歌舞伎町のバッティングセンターで働いていた頃は足繁く通ったものだった。
2014年にミラノ座が閉館すると決まったとき、私は女装好きのおじさんと一緒に、ジョン・ウー監督の名作『男たちの挽歌』を観に行った。おじさんはミヤケさんといって、かつて歌舞伎町で開かれていた「プロパガンダ」という日本最大級の女装イベントで知り合った人だ。