西村賢太に会えなかった夜

トークイベント 駒込 西村賢太 伊藤雄和 落日堂
爪 切男 2026.05.28
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私は西村賢太さんに、一度もお会いしたことがない。

デビュー作の『死にたい夜にかぎって』にコメントをいただいたのが、接点といえば唯一の接点である。にもかかわらず、5月23日(土)の夜、駒込で開催された落日堂主催「コスロ」というイベントに出演し、西村さんの話をした。あまりしてなかったような気もする。

場所は、西村さんゆかりの地である駒込。もう一人の出演者は、西村さんとただならぬ縁をお持ちのOLEDICKFOGGYの伊藤さん。そうなれば、西村さんの話を今一度擦ろうぜという雰囲気になる。そりゃそうだ。

90分を超える伊藤さんのライブのあと、借金の話やら、風俗の話やら、若かりし頃の私が上京三日目に暴漢に襲われた話やら、とにかく下品でみっともない話を、二人してつらつらと話した。酒を挟みながらやれば、朝まで余裕でいけたのではないかと思う。伊藤さんとはまだまだ話したいことがある。翌日には覚えていないけど。

お客さんとの距離が近い会場だったので、爆笑なのか苦笑なのか、笑っている奴の顔を見りゃわかる。ドン引きしている顔も時折目に入るもんだから、そりゃ楽しくて仕方なかった。あの場にいてくれた皆様、みっともない夜を一緒に過ごしてくれてありがとうございました。

改めて書くことでもないが、西村さんがすごいのは、人間のみっともなさを、みっともないまま終わらせることだと思う。恥ずかしながら私も、人間のダメな部分を書くことが多い。というより、人間のダメな部分を飯の種にしてきたところがある。

だが、私の場合はどうしてもちょっとした救いを作ってしまう。そのまま書くことが怖かったり、照れ臭かったりして、必要以上に笑いに逃げ込んでしまう癖がある。

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