恐竜を見るたびに思い出す人がいる

恐竜 ディノサファリ トリケラさん 暗黒時代 上京三日目ぐらい
爪 切男 2026.05.12
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GW最終日。渋谷ヒカリエで開催されていた『恐竜ライブ ディノサファリ2026』を観に行った。

ええ、私、恐竜が好きなんです。

で、ディノサファリとは何か。

リアルに動く恐竜を目の前で見られる恐竜ライブショーとでもいえばいいか。まあ、ざっくり言ってしまえば「ジュラシック・パーク」ですね。語弊があったらすみません。

実際の恐竜と見間違うぐらいの造形と、自立歩行型のスーツによって、まるで生きているかのように所狭しと会場を動き回る恐竜たち。子供向け要素が強めかと思いきや、大人でも十分楽しめるド迫力ですので、興味のある方は是非。同種のイベントで『恐竜大夜行』もおすすめです。

なんだチミは?

なんだチミは?

なんだチミは?

なんだチミは?

恐竜に思いを馳せると、どうしても思い出す人がいる。

もう十五年も前になるのか。恩師の死と大失恋が重なり、人生における暗黒時代を過ごしていた私に、救いの手を差し伸べてくれたゲイバーの店員。名前を〝トリケラさん〟という。

トリケラさんというのは源氏名で、筋骨隆々の爬虫類系顔のイケメンで、俳優の伊勢谷友介によく似ていた。常にふざけているようで、叱る時はきちんと叱り、無関心を装った優しさを持ち合わせた美しい人だった。

もしかしたら、手塚治虫の『火の鳥』のように、過去、現在、未来と時空を超えて存在する生命体で、私のように迷える人間を導いて生きてきたんじゃないかとまで思った。私の人生における数少ない恩人の一人である。

多い時は月の半分ぐらい顔を合わせていたのに、私が作家業を始めてからというもの、忙しさを理由に徐々に疎遠になってしまい、今では連絡すら取っていない。

「あなたはもう大丈夫だから興味ない。私と会った人はみんな大丈夫になって離れていくから、こっちからさよなら言ってやるんだから」

目の前の恐竜を見ながら、トリケラさんに最後に言われた言葉を思い出す。

久しぶりに連絡しようかなとスマホを取り出そうとして、「いや、意地でも連絡してやんねえ」と手を止める。

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